こんにちは,HAVRMです.
このブログを開設したときにちょっとだけ言及した安い3Dプリンタ「Creality Ender-3」についてそろそろ記事を書いていこうと思います.
初回のこの記事ではこの3Dプリンタを選定した理由について載せようと思います.
なお今回のAmazonリンクについては2018年夏頃販売されていた商品なので今では販売はされてないようです.
購入に至った経緯
もともとロボットをやっていく中でフレーム等の購入や加工にコストがかかり過ぎるというのは経験として知っていました.個人で何かをしたいというときに電子回路等であれば安く材料が手に入りますが,構造物を作るのは大変でした.そこで当時(2018年頃)機種代が安くなり,簡単に材料等も手に入る熱積層型3Dプリンタで構造物を作ろうと考えました.
今でこそ,光造形型3Dプリンタも安くなっていますが,2018年頃は機種代がとても高く,それでいて強度もないということで最初から考慮していませんでした.
選定の基準(2018年夏頃)
当時は有名なメーカ(XYZprinting,FLASHFORGE等)のプリンタが主流で機種代も10万円以上のものが多かった記憶があります.2018年の初頭から中華製の安い3Dプリンタが出てはいましたが,あまりいいのはなく,なんなら自作したほうがいいんじゃないかとオープンソース系(RepRap等)が活発だった時期です.当時自分は工房等で3Dプリンタを使ったことがあり,その時の経験から次の条件の順でプリンタを自作を含めて検討していました.
- ノズル温度が250℃以上に加熱できるもの(様々な材質のため)
- ビルドプレートが加熱できるもの(定着性の向上のため)
- 価格が3万円未満のもの(予算の関係上)
- なるべく大きいものが印刷できるもの
- 筐体の剛性が高そうなもの(片持ちのフレームになっているもの等は除外)
- Z軸がシングルモータのもの(ダブルモータの場合両軸の同期が必須であり,安物では無理だと思っていた)
選定結果
これらの条件でAmaznoを調べていたところ,2018年の春ごろから販売されていた「Creality Ender-3」を見つけました.今でこそEnderシリーズは3Dプリンタとして有名になっていますが,当時はレビューも少なく,きちんと印刷できるものなのかいまいちわからない状況でした.なお,Ender-3の購入当時の仕様は以下のような感じです.当時購入したページ(販売元:HICTOP)等を参考にしています.
なお購入したのは一番初期の「Creality Ender-3」です.「Pro」とか「X」とかはついていないものです.
- 価格 :¥25,500 (2018/9/23)
- 印刷サイズ:220×220×250mm
- ノズル温度:~255℃
- ベッド温度:~110℃(5分)
- 積層ピッチ:0.1~0.4mm
- 造形速度 :30~180mm/s
- 造形材料 :PLA / ABS / WOOD / TPU / PETG 等
- 押出方法 :間接式(押出モータとホットエンドが離れている)
この値段でこの性能かと驚いた記憶があります.本当にそうなのかは少し不安でしたが,動かなければ分解して,RepRap等を参考に自作すればいいやと考えていました.特にこの値段だと部品を集めるより安いというのもありました.
このようなことの他にも他の記事等で見た人は違和感を覚えるかもしれません.特に柔軟素材であるTPUがダイレクトエクストルーダー式でないのにもかかわらず,印刷可能となっています.結論としては実際に印刷できるのですが,他の記事ではできないと書いてあることが多いです.
実際に使った感じだと実際の仕様としては次のような感じです.
- ノズル温度:(推奨)~250℃ (これ以上にすると内部が焦げる恐れ)
- ベッド温度:外気温次第,冬場(15℃):~98℃,それ以外(25℃以上):~110℃
- 造形速度 :~150mm/s(下限はなさそう,150mm/sでも詰まりやすいので注意)
全てが仕様通りというわけではないですが,嘘を言っているほどではないかなという感じです.
購入と組み立て
Amazonで購入し,2日後には届いていました.購入した時にHITOPのキャンペーンで本体購入時に材料1kgプレゼントということで白のPLAフィラメント(¥1,950)もセットで購入しました.
このプリンタは自分で組み立てる必要があったので届いた後組み立てをしたのですが,組み立て説明書が間違っていました.詳しいことは次の記事で書くつもりですが,組み立て動画の方をしっかり見ておいた方がいいと思います.
まとめ
今回はプリンタの選定と購入までになります.組み立て時の注意や修理等の記録は次回の記事で,各種材料(型番毎)の比較等はさらにその次の記事以降で書きたいと思います.購入してからもうすぐ5年,計5kg以上は印刷してきましたが,時々不調になりつつも今もしっかり印刷しています.あえて大がかりな更新は行わず,部品交換や一部パーツの後付け等のみで頑張っています.
なおこれまでに以下の材料の印刷をしてきました.
- PLA各種
- TPU
- ABS
- PETG
- PC(ポリカーボネート)