みなさん、こんにちは。HAVRMです。
予約購入で販売日にiPhone 15 Pro Maxを入手しました。せっかく発表時に比較記事を書いたので実際に撮って比較しようと思いましたが、販売日は仕事、翌日は悪天候のためできませんでした。そこで翌々日の24日にスカイツリーを撮影したので、iPhone 13 Proと一眼レフのNikon D90と比較してみました。
なお,記事の公開が1年近く遅くなったのは,写真の整理(フォーマット変更)が追い付かなかったからです...記事の内容は当時書いたものになります.
※ブログの内容上,画像は高画質でアップロードしています.ネットワークを結構使うと思うので通信量に制限のある人は気を付けてください.
iPhone 15シリーズの比較記事はこちら
havrm.hatenablog.com
(本文の大半は撮影の合間にiPhoneで書いたので句読点は「,.」(PC)と「、。」(iPhone)が混ざってます。)
iPhone 15 Pro Maxについて
そもそもiPhone 15 Pro Maxを選んだ理由
比較記事にも書いてますが、48回払いで24ヶ月以降に機種交換をして機種を返却すれば残りの金額を払う必要がないというサービスでiPhone 13 Proを購入していたので、iPhone 15シリーズにするのは決定事項でした。どの機種にするかはCPUやカメラの性能で決めるつもりでした。結局iPhone 13 Proから無印やPlusにするメリットはないのでProやPro Maxのどちらかになるのですが、48回払いの最小容量で比較すると、Proが月額約4,000円、Pro Maxが月額約5,000円と1,000円程度の差しかなかったです(48回払いなので総額では5万円近くの差額になります)。そこで、容量も256GBで2倍、カメラも光学ズーム5倍搭載しているiPhone 15 Pro Maxを選びました。予約開始の5分後には予約を完了し、無事販売日当日に入手できました。
ついでに購入したオプション品
今回は(というより今回も)ケースとフィルムを購入しました。ケースには普段落とすことも多いので、落下耐性が高いELECOMのZEROSHOCKを選びました。iPhone 13 Pro用に買った際はMag Safe用の磁石がついてましたが、選択ミスしたのかついてないものを買ってしまったのでMag Safeがほとんどつかないです泣。
フィルムには外で使うことが多いことと、サラサラの方が好みのため、反射防止とサラサラのフィルムを選びました。
この3日間使った感想
思った以上にスタンバイ機能がつかえます。常時点灯モードに設定してる際にロック時に充電中かつ横向きにしたときになるモードですが、置き時計やフォトスタンドとして使えます。もともと、自分の机から見える範囲に置き時計がなく、腕時計やiPhoneのロック画面で時間を確認していたので、置き時計があることで時間を簡単に確認できるようになりました。普段は時計と月間カレンダーが出るモードにしています。この時計もPro Maxのため画面が大きく、見やすいです。
また、性能が上がったためか何か作業をしているとiPhone 13 Proより発熱している気がします。結構頻繁に充電が発熱により停止していました。実際この記事を書いてる間もそれなりに発熱してます。
実際の写真比較
撮影箇所
基本は逆さツリーで有名な西十間橋・十間橋ではなく、さらにスカイツリーから離れた柳島歩道橋から撮影します。ここを選んだ理由は十間橋からだと持っているカメラではスカイツリーと逆さツリーを同時に撮影できないからです。柳島歩道橋は川だけではなく車道にもかかっていますが、そのため橋の高さが高く、角度によってはよくあるカメラでもスカイツリーと逆さツリーをギリギリですが同時に撮影できます。スカイツリー開業直後に自分の足で歩いて見つけてよくそこから撮っていました(ついでに十間橋が逆さツリーで有名なことはこの後しばらくしてから知りました)。なお、ここまで離れると見上げる感じは少なく、スカイツリーを比較的綺麗に撮影できます。スカイツリー開業後何度か撮影に行ってましたが、2013年頃に行ったのを最後に柳島歩道橋まで行ったことはないです(スカイツリー直下には行ったことがあった気がします)。そのため約10年ぶりにきました。なお、ここは十間橋より風が吹きやすく、綺麗な逆さツリーを撮りにくいので、有名になってない気もします。また他の橋と違い鉄橋なため、結構歩行時の振動等で揺れます。道幅も狭いので、あまり三脚等は使えません(そもそも歩行者の迷惑なので三脚は使わない方がいいです)。
変換方法
ブログに載せるにあたり,JPGに統一することにしました.いろいろ考えて面倒になったのでHEICはペイント,DNGは切り抜き&スケッチで別名保存時にJPGを選ぶ形で変換しています.
Nikon D90について
以前、記事にも書きましたが2008年販売開始の一眼レフを使っています。レンズは標準セットのしか持ってないので、焦点距離は18〜115mmになります。ただ,このカメラはセンササイズがAPS-Cなので,35mmの焦点距離に変換すると27mm~157mmに相当します.センサの物理サイズが違う場合,焦点距離も変わります.ここではiPhoneに合わせて35mm換算で書いていきたいと思います.
超広角レンズ
これはどちらも0.5倍になり、13mm相当になります。
広角レンズ
これが標準レンズで、iPhone 13 Pro では26mm相当になります。iPhone 15 Pro Maxでは同じ倍率で焦点距離が3種類、48MPのセンサーを生かした2倍に拡大した写真が撮影できます。とりあえずここでは24mmを広角レンズとして扱います。
日中(16時ごろ)
- iPhone 15 Pro Max
- iPhone 13 Pro
これを見てわかるのはD90だと空の色が白っぽいということです.ホワイトバランスはオートでや効果等は一切やっていないというのと,HDRができないためだと思われます.空に対しては純粋に露光が過剰になっています.
スカイツリーの展望デッキを拡大してみます.
実はそれぞれのカメラで最高画質を設定しているので画像の画素数が微妙に違います.iPhone 15 Pro Maxは4284×5712,iPhone 13 Proは3024×4032,D90は2848×4288となっています.そのため,全ての画像の高さを調整しています.この画像からは画素の細やかさは展望デッキの下の支柱間の柱からiPhone 13 Pro < D90 < iPhone 15 Pro Maxだと判断できます.実際に感覚的にはiPhone 13 ProよりD90のほうが画質がいいなという感じだったので実際にそうだったと確認できます(色味とかは加工できるけど,画素の細やかさはどうしようもないため).(2024/9/14追記)この1年iPhone 15 Pro Maxを使っていて,やはりD90よりiPhone 15 Pro Maxのほうが画質がいいと感じたので,ボケ効果を使う場合や,車内からの撮影(高速起動と高速ピント合わせが必要)など特殊な条件以外ではiPhone 15 Pro Maxばかり使っていました.
夜間(18時半ごろ)
- iPhone 15 Pro Max
- iPhone 13 Pro
スカイツリーの展望デッキを拡大してみます.
※D90の写真の右下に写っている点は他の写真では確認できなかったので星ではない可能性が高いです.
ここではHDRの有無がしっかり出ました.D90はHDRがない分,スカイツリーを撮ると空は黒くなります.なおマニュアル設定等で明るくするとスカイツリーが白飛びしてしまいます.またiPhoneの写真の中の緑っぽい点は街頭のレンズでの反射光でそれ以外の点は星だと思われます.D90と比較するとわかりますが,いいカメラ・レンズの場合内部での反射がほとんどないため,街頭等の光は反射しませんが,スマホに使われるものはそこまでできてないため,反射がどうしてもおきます.レンズの汚れについては撮影前にきちんときれいにしたのでないはずです.iPhone 15 Pro Maxは夜間撮影時はナイトモードになり,メインの48MPの4画素をまとめて1画素として処理するため,12MP相当となるものの画素の感度が上がる仕様になっています.そのためISOがD90と同じくらい高くなっているのにもかかわらず,ノイズのない画像となっています.
望遠レンズ
ここが大きな違いでiPhone 13 Proでは光学3倍(77mm相当)でデジタルズーム含めて最大15倍、iPhone 15 Pro Maxが光学5倍(120mm相当)で最大25倍となります。
日中(16時ごろ)
- iPhone 15 Pro Max
- iPhone 13 Pro
スカイツリーの展望デッキの上部を拡大してみます.今回はD90とiPhone 13 Proの位置を逆にしています.
見ての通り,画素の細やかさはiPhone 13 Pro < iPhone 15 Pro Max < D90となります.こればかりは光学ズームの倍率の差が出ています.上の画像はそれぞれ同じ倍率になるように引き延ばしているので,光学ズーム以外はデジタルズームと同様になっていて,画素が下がっている状態です.また展望デッキの上面のすぐ下にある隙間などの暗いところについてもD90だと写っています.これは露光やISOの差でそもそもそこまで暗いのを撮影できるかどうかだと思います.
iPhone 15 Pro Maxのカメラで気になった点の検証
レンズやセンサー等の比較は上で十分だと思うますが、iPhone 13 Proを使ってる間に気になった点や新機能等について確認してみたいと思います。なお比較時のiOSは17.0.2です。
RAWとノーマル写真,デジタルズームの有無についての比較@望遠レンズ
iPhoneの写真は昔からノイズ除去?のフィルター処理のため拡大時にのっぺりとした画像になりやすいことは知っていました。特に細かいところは塗りつぶされることが多く、凹凸感が無くなったりしています(実は別の記事でその様子が見れます)。特に山の上から麓を撮るとき等に如実に出ます。実はそのために画素は落ちるものの光学ズームやフィルター処理のなさから一眼レフが手放せないというのもあります。
しかし、RAWデータは生画像のはずなのでこのようなフィルター処理がされず、細かいところのデータも残っているはずです。そこで同じ画像を撮影し、細かいところを比較してみます。
細かいところとすると,結局展望デッキの上面にある構造物になります.クレーン状のものと柵があることがわかっていて,柵の手すりは当然まっすぐです.比較はD90で撮影した画像とiPhone 15 Pro Maxの望遠レンズでの5xと25xの時のHEICとRAW画像となります.
さて,画像は一番上がD90,下の左側がiPhoneのHEIC,右側がiPhoneのRAWでそれぞれの上側が5xを引き延ばしたもの,下側が25xから切り取ったものとなります.基本的にはRAWのほうがきれいに写っていましたが,JPGに変換する際に劣化し,HEICより少し劣っている状態になっています.
柵に注目すると5xのほうが比較的まっすぐで,25xは大きくゆがんでいます.下の展望デッキの表面も両方ベタ塗感はあるもの,5xのほうがましです.
このようにRAWで撮影してもフィルター処理がされていることが確認できます.専用ソフトを使えばレイヤーに分けらるのかもしれませんが,フリーソフトで触るならRAWはあまり意味がないかもしれないですね...またデジタルズームをしたほうがフィルター処理がきつめに入るのでデジタルズームはしない方がよさそうです...
なお広角カメラについてはRAW MAXで撮ると48MPの画像が撮れるので高画素が必要な場合は広角カメラについてはRAW MAXでやったほうがいいかもしれません.
(2024/9/14追記)実はこの現象のせいで,文字が読めなくなることがあります.少し離れた位置からとって,画素数的には文字を読めるはずなのに,このフィルター処理のせいで文字が模様になっていて,引いてみると読めそうなのに,いざ拡大すると読めなくなることが多発していました.そのため,少し遠めの説明書や看板を撮るときは広角カメラで撮影するか,レフで撮るかしています.
24mm(1倍)、28mm(1.2倍)、35mm(1.5倍)、2倍の比較
広角レンズで撮れる倍率や焦点距離の異なる写真を比較します。なお、2倍は48mm相当です。
- 24mm
- 28mm
- 35mm
- 48mm
- 展望台上部での拡大比較
これで比較してみてもあまり差は見られません.なんなら48mmのは少し画素が粗い感じも受けます.なので,設定は24mmにしたまま,ほしい画角に後で切り抜くのがいいと思います.結局ただのデジタルズームなので,光学レンズで起こる周囲のボケ効果とかもないですし...
まとめ
いかがでしたでしょうか。個人的に気になった点をとにかく比較してみました。普段は機種交換した時はすぐ返却作業になるためこのような比較時間等を取れてなかったのですが、今回入手が販売日当日になったため返却までの時間ができたのでこのような比較ができました。運良く?晴れ時々曇という天気になったのも良かったです。ただこのブログの画像からもわかるようにiPhone 15 Pro Maxの発表では7本のプロ用のレンズを内蔵(マイクロ,13mm,24mm,28mm,35mm,48mm,120mm)としていますが,デジタルズームをなくすとマイクロ,13mm,24mm,120mmの4種の単焦点カメラ相当であり誇大広告ととらえられてもおかしくはないです.正直最初に7本のレンズと言っていたので光学ズーム7種を期待していたのに,レンズは固定3つのみだったと残念な気持ちになり,実際に3つ分(マイクロ,13mmをセット)だと確かめられたことになります.カメラに力を入れるのなら,光学ズームとデジタルズームをきちんと分けて話してほしかったです.ここまでいろいろ不満を述べていますが,iPhoneのカメラ自体にはとても満足しています.3つのレンズと考えれば,それぞれの性能はとてもよく,バランスもいいです.
iPhone 15 Pro Maxを使ってみて
(2024/9/14追記)この1年使ってきてとてもいいカメラである一方,いろいろ問題だと思った点があるのでリストアップしておきます.
問題点
月が撮れない
夕方までなら月はきちんとクレータ等とれます.ただ,真夜中になると月が周りより明るすぎるため白い円(下の画像の上側)になります.全体にピントを合わせた状態で露光を下げても月は白いままです.そこで月にピントを合わせようとフォーカスロックすると夜間で暗いため,ピント調整をLiderセンサで行います.しかし当然Liderセンサの有効範囲に月はないのでLiderの検知内に物体がない判定になります.そうすると何が起きるかというと,至近距離判定になり超広角レンズのマイクロモードになります.そうなるともともと望遠レンズ×デジタル5倍の25倍で撮影しようとしたのが超広角×デジタル50倍の25倍になります.そうなると画質の劣化で月を撮るどころではなくなります.ということで月を撮るには十分な25倍ズームができてもうまくとれないということになります.もし,真夜中に満月を撮りたい場合は以下のようにすると模様が撮れます(下の画像の下側)
- まず月のすぐ下に遠くの建物や標識(光源ではないもの)が来るように位置取りします.これらはLiderセンサをだますためなので月を撮るときに暗すぎて写らないので気にしなくていいです.
- 月にiPhoneをむけ,広角の1倍で簡単にピントを合わせた後,5倍に拡大します.
- うまく望遠に切り替わると画面一気にきれいになります(デジタル5倍から光学5倍になり,画素数が上がるため).これがうまくできない場合はまた1倍に戻してもう一回やってください.
- そのままiPhoneを動かさないようにデジタルズーム5倍で計25倍まで持っていきます.
- 月にフォーカスをロックして,露光を一番小さくします.この時月が白いままでも気にしないでください.
- そのままiPhoneを信じて撮影するとうまくいけばHDRによって月の模様が撮れます.
画像を見てもらえればわかりますが,HDRが効いているとはいえ,明るさが一気に変わるため,月と空の境目は変な感じになります.ただ何度か真夜中に満月を撮ろうとした結果,上記の方法じゃないとうまくとれなかったです.街灯とかで空がとても明るいとここまでしなくてもシャッターを切るだけでうまくいく可能性はあります.満月ではないですが,少し欠けた状態の月をそれで撮れたことがあります.
ピント調整のLiderに問題があり過ぎる
上の月の例でもそうですが,iPhoneのProシリーズはピント調整の際,Liderをとても重要視します.確かに対象物と距離が測れれば高速にピントは合わせられます.ただLiderの赤外線が透過しないガラスや透明樹脂は考慮しているのでしょうか.可視光線を通すからと言って赤外線を通すかというとそうとは限りません.それこそIRフィルターでも使われていると赤外線は透過しません.そのため,一部のガラスや透明樹脂だと対象物ではなく,透明物体をLiderが検知,そちらにピントを合わせるために超広角レンズに切り替えるといったことが頻発します.最近はそのパターンが減ってきた気もしますが,以前は飛行機の中から25倍ズームで撮ろうとしたら超広角レンズに切り替わっていたことに後から気づくということがありました.
ナイトモードでの露光時間の変更
普段ナイトモードを使う場合は自動にしておけば勝手にいい感じにしてくれます.ただ,星空を撮る場合は露光時間をあえて長くしたいという場合もあります.特に流れ星の場合,ある程度の時間シャッターを空けておきたいです.そこでナイトモードの露光時間を手動調整するのですが,この際撮影時間は設定した時間撮影するのですが,保存された写真は勝手に露光時間が修正されます.今までで一番ひどかったのは30秒に設定したのに3秒分の露光の写真が保存されました.
搭載してほしい機能
上に書いた問題点の解決としての機能や,一眼レフを使っていた人間からの欲しい機能になります.すでにある機能であれば自分が気づいてないというだけで済みますが...
使用するレンズのロック
どのレンズを使うかを自動ではなく手動でもできるようにしてほしい
撮影時のマニュアル設定の充実化
実はビデオ用のFinal Cut Cameraではピント調整やカメラのロック,露光の調整等をフルマニュアルでできます.標準のカメラアプリじゃなくていいのでFinal Cut Cameraの写真用を出してほしいです.特に露光時間とピント調整はマニュアル化してほしいです.
RAW画像の定義の見直し
RAW画像とは本来センサからの生データのことを指します.そのため容量が多く,ノイズも多い画像になりますが,その分様々な効果やフィルターを自分好みに設定できるものです.ただ,iPhoneのRAW画像は上に書いたようにフィルター処理ががっつり入っています.これらの処理がない生データが欲しいです.
高解像度化のオプション化
現在iPhoneで撮った写真は設定した画質以上にするような高解像度化が行われています.そのため,上のプリンタのシールのように実際とは異なる映像として出力されることや本来は画質が悪いのに不必要に大容量化しています.この機能が必要とする人も多いのはわかりますが,これをするかしないかは事前選択式にしてほしいです.
Lider,TrueDepthの距離情報の画像化(個人的にほしい機能)
せっかくいい距離センサ積んでいるのでそれの値を画像等にして出力してくれると楽しいです.